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【思いつきコラム】課金ガチャに見る数学

(サブカル系のレビューの一環で書いたつもりが、どちらかというと理系的な記事だなこれ…となってしまった感の強いコラム)




『パズル&ドラゴン』に代表されるスマホアプリ、あるいはオンラインゲーム・ソーシャルゲームといった娯楽が人口に膾炙しはじめてから、もはや「最近の流行」とも呼べなくなっているほどの時間が経つ。

それらのゲームをプレイするほとんどの場合に避けて通れないのが、「課金ガチャ」の存在だ。これは金銭によって抽選権を購入できる「くじ」のことであり、一定の確率で有用なアイテム等を入手できるというシステムである。

多くの場合、その対象となるアイテムには有用さの優劣があり、もちろんのこと、有用なものほど低確率でしか入手できない。
そして、その優劣の目安として「R・HR・SR…」などといったレアリティが、アイテムごとに設定されているのだ。

たとえば
[R:50% HR:40% SR:10%]
などと確率が設定されている場合には、おおむねその有用さは
SR>HR>R
の順になっているといえよう。

そうしたとき、プレイヤーは有用であるSRを期待して
「10回引けば1回はSRが当たってくれるだろうな~」
などと考えるわけである。



ところで、その「10回引けば1回はSRが当たる」という期待だが、果たして、この期待に従ってガチャを引くのは本当に正しいだろうか?

というのも、[R:50% HR:40% SR:10%]というのはコンピューター上で処理される理論的な確率であり、「10回引けば」というのは経験的な確率なのである。

サイコロを考えてみれば分かるがこれらは別物であり、一致する(あるいは大体同じ値になる)という考えが成立するのは「大数の法則」を前提したときだ。
大数というのは文字通り大きな数のことであり、何が大きいのかといえばそれは試行回数、つまりガチャを引く数である。
何百万と課金して実際に「大数」回ガチャを引くならともかく、娯楽資金程度の資金でそれを実現するのは、多くの場合困難である。

ならば考えてみるべきことは、「10%でSRが当たるガチャを10回引いてみたときに、1回でもSRが出る」確率である。

そしてこの確率を計算するには、「10%でSRが当たるガチャを10回引いてみたときに、1回もSRが出ない確率」を計算するのが手っ取り早い。

以下で、実際の計算を試してみよう。



[R:50% HR:40% SR:10%] の課金ガチャ
であるから、1回だけガチャを引いたときにSRが出ない確率は

1-01.png

である。これを10回試した場合は

1-02.png

である。つまり、10回引いてもSRが1回も出ない確率は1/3≒33%よりも高いのである。

逆に言えば、
10回引いたときに10%のSRが当たる確率は7割もない
ということになる。

果たしてこう考えたときに、「10回引けば1回はSRが当たる」と期待したときと同じようにガチャを引けるだろうか……?





また、話を一般的にして、確率1/x(1<x)で当たるガチャをx回試したときに1度も引けない確率も、同様にして求められる。
これをグラフに書くと

graph.png

となり、パット見で36%強あたりに収束しているように思えるが、実際に収束する。

さきほどの10%での計算と同様に式を立てると、

1-04.png

である。すでにピンと来ている人もいるかもしれないが、これを式変形して

1-05.png

としてやる。ここで

1-06.png


であることを用いると、「1/x(1<x)で当たるガチャをx回試したときに1度も引けない確率」のx→∞での極限値は

1-07.png



つまり37%弱となることが分かる。
先のグラフは拡大されているため差が強調されているものの、x=10でもすでにほぼ同じ値となっている見ていいかもしれない。

さらにその2倍の回数を試した時、つまり「2x回ガチャを試したときに1度も引けない確率」を知りたければ、この数字を2乗すれば良い。すると約13%、1割以上もあるというから驚きである。

この「理論的な」数字をどう捉えるかは人それぞれであるが、そのよりどころとして、前半で言及した「大数の法則」を考えると、実感が湧くかもしれない。

つまりこういうことである。
ここで求めた確率がどういうものであったかといえば、「x回ガチャ引く」という試行を行った際に、1度も当たらない悲運に見舞われる確率であった。
これを一人で「大数回」やろうとすれば大変であるが、プレイヤー全体で考えれば、それはもう立派な「大数」とみなせるであろう。

そう考えると、である。
そのガチャを試したプレイヤー全体のうち3割以上、あるいは1割以上が実際に「何度も試して1度も当たらない」悲劇に見舞われているのではないか――と、そんなことが想像できてしまうのである。
涙。




また、この結果で個人的に注目したいのは、自然対数の底だとかネイピア数だとかExponentialだとか呼ばれ、理系学生にはおなじみのeが現れることである。

おなじみといっても基本的には「eのx乗」のような形で用いられるeが、よもやこんな身近なところにそのままの形で現れるとは!
これ以上身近で分かりやすいところにeが現れることなんてほかにあるのだろうか。自分は知らない。

そういうわけで、高校数学で習った当初、一体なんの理由があって使われているのかよく分からなかったeも、こういうところにあるんだよ~ということを知っていれば少しは馴染みやすいものになるのではないかなあ、と計算してみた結果考えたのであった。





ちなみに。
x回引いて当たらない確率が 1/e になるということであるが、ここから「1回引いて当たらない確率」が復元できないだろうか。

つまり、1回引いたときの確率をx乗したものが1/eになると考えれば

render (7)

が「1回引いて当たらない確率」になるのではないか。
確率乗とも解釈できるこの式を実際に計算してみると、たとえば10%で

1-09.png


と、期待以上に良い感じに元の確率(10%を外す確率なので90%)を求めることができることが分かる。

しゅごい!(小並感)

(ユーリ)
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